カムパネルラ

星が生まれた頃

私たちは 当たり前のように寄り添っていた

あなたは 私の世界の全てだった

全部知っていて 何も知らなかった



旅に出よう と言い出したのは

どちらからだったろう?


手づかみの愛だけ持って

いっせいのせで 渦巻きの中に飛び込んだ



それからは

寄っては離れ

ぶつかり 跳ねとび


スリルと 痛みと 苦しみと

発見の連続


何のために?どこへ?

けっこうな運動量・・・そして生傷



並んで星を眺めているのも

悪くはなかったんだけどな



でも

この旅をしなければ

あなたを 憎む なんておかしな現象

体験できなかったでしょう


有限 なんて不思議なイベント

堪能できなかったでしょう


孤独 なんて贅沢

受け取れなかったでしょう



うちに帰ったら

あなたの見た世界を

私にも教えて



そして

私のものは 全部あなたのもの