ズームの不思議

人は 見たいものを 見たいように 見る

そうかと思えば
見たいように 見られないこともある


焦点の合わせ方が ままならなくて
視界が ぼやけたり

ある一点に くぎ付けになって
寄って 寄って 全体が分からなくなる


視点を変えて 俯瞰でみれば
エアーズロックも 手のひらサイズ

何万年もの諍いも
神の視点なら ため息ひとつ
一瞬の つむじ風

何生もの人生をかけた
真っ黒い どす黒い 憎しみでさえ
白肌乙女の 泣きぼくろ


寄ったり 引いたりするなかで
ピントが合って
対象への愛が 見つかる

そして
対象 だと思っていたものが
鏡に映った自分だと知る

やっぱり ぜんぶが 愛 だと解る